墨田川造船株式会社100年史 1913-2013 page 5/84
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100年史に寄せて国土交通省海事局長森雅人墨田川造船株式会社におかれましては創立100周年を迎えられ心からお慶び申し上げます。墨田川造船は、大正2(1913)年4月に高橋新八男爵が東京・向島に株式会社墨田川造船所....
100年史に寄せて国土交通省海事局長森雅人墨田川造船株式会社におかれましては創立100周年を迎えられ心からお慶び申し上げます。墨田川造船は、大正2(1913)年4月に高橋新八男爵が東京・向島に株式会社墨田川造船所を設立し、西洋式ボート、ヨットの製作を開始したことに始まり、近代的な舟艇専門造船所として、また高速舟艇開発の先駆者としての道を歩まれました。創世期からモーターボート史に残る海軍向けの高速艇を建造し、戦後は海上保安庁発足当初から巡視艇を建造するとともに、多彩な旅客船も建造してこられました。戦後の高速舟艇は木船の建造から始まり、急速に進む技術開発や経済社会の進展にともない、鋼船、高張力船、アルミ船、FRP船の舟艇技術が開発されてきましたが、墨田川造船は、特殊船や高速旅客船の設計建造の分野においてこうした先進技術をいち早く取り入れ、しかも海上運航の安全確保を第一として精進してこられました。また、中東、東南アジア等開発途上国に対する経済協力支援船などにも積極的に取組まれ、わが国の国際協力貢献の立場からも有意義な実績を上げられています。海上の安全確保と安定輸送に関する要請は時代とともに変化しています。特に近年は国連海洋法条約のもとでの海洋新秩序が世界的に進み、海洋を巡る諸情勢が激変しています。100年にわたって蓄積された墨田川造船の技術の活用が期待される機会はますます拡大し、重要になっていくと思われます。さらに技術の開発、蓄積を進め、こうした分野での指導的役割を果たしていただくとともに、船舶の安全確保に対する一層の努力をされますよう期待する次第です。最後に社業の一層のご隆盛と、社員の皆様のご健勝をお祈りいたします。平成25年4月吉日03